10-2598 玉井美根子(研修担当)
明治9年政府からインドに派遣され、紅茶製造技術を持ち帰り、全国に紅茶を広めた多田元吉ゆかりの地、丸子で、茶葉から実際に製造工程を経て完成し、試飲できるまでの一連の紅茶の製造過程を研修でき、大変有意義な一日となりました。 1.萎凋:紅茶製造に適した茶葉は、酸化酵素活性の強さとポリフェノール含有量が重要な指標となる。今回は、べにふうきを前々日から適採し、重量減42%〜45%になるように12時間以上かけて萎凋していただいていたため、萎凋を確認してからの作業となった。 2.揉捻:昭和25年製の真鍮の輝きが美しい揉捻機に茶葉を入れ、圧力をかけながら茶葉の水分量を均一にしていった。1分間に35回転で約70分の工程で揉捻していったが、葉の量や水分量によって見極めることが大切で、村松先生のご経験と知識を伺いながら奥の深さと難しさを実感した。30分を過ぎたあたりから、青リンゴのようなさわやかな香りが漂い始め、茶葉は茶色に変化していった。 3.発酵:揉捻を終えた茶葉は、4つの木箱に入れ、湿度90%以上32℃に保たれた発酵器で80分ほど発酵させた。この発酵器も村松先生が作られたものだった。 4.乾燥:大きなドラム型の乾燥機をガスで加熱しながら回転させ、80度ほどの乾燥機の中で葉の芯から乾燥させること約1時間、発酵は止まり、美しい紅茶ができあがった。 できあがった紅茶は、参加者全員でストレートやミルクティーで味わいながら、講師の村松先生から本物の国産紅茶製造に取り組まれている熱い思いを伺うことができました。日本茶インストラクターとして緑茶のみならず、紅茶やウーロン茶などの製造や知識を深めていくことも日本茶を理解する一助になっていくのではないかと実感した一日でした。
17-3977 杉村弓美子(受講者)